保育の心理学では、「人とのかかわり」が子どもの発達にどのような影響を与えるのかが重要なテーマになります。
中でも保育士試験でよく問われるのが、言葉の発達・道徳性の発達・心の理論です。
この記事では、初心者の方でもイメージしやすいように、
年齢ごとの子どもの姿と結びつけながら解説していきます。
言葉の発達|年齢ごとの特徴を押さえよう
言葉の発達は、「話し始めてから」ではなく、生まれた直後から始まっています。
新生児期~乳児期前半
- 新生児期
まだ言葉はありませんが、大人の話しかけのリズムやタイミングに合わせて体を動かす
👉 相互同期性 が見られます。

話せなくても、ちゃんと“やりとり”は始まってるんだね
- 2~3か月ごろ
「アー」「ウー」などの クーイング が始まります。 - 5~6か月ごろ
「バブバブ」「ダダダ」などの 喃語(なんご) が見られるようになります。
※この時期は試験でよく問われます。
乳児期後半~1歳代
- 10か月ごろ
大人の「ちょうだい」に対して物を渡す行動が見られ、
コミュニケーションの始まりと考えられます。 - 1歳ごろ
「ワンワン」「マンマ」など、意味のある一語文が出始めます。 - 1歳6か月ごろ
「ママ、来た」などの 二語文 が出現します。

二語文=“言葉を組み合わせ始めたサイン”だよ
2歳以降~就学前
- 2歳6か月ごろ
「ママ、外に行った」などの 3~4語文
語彙数は 100~200語程度 - 3歳ごろ
「だから」「でも」などの 接続詞を使って文を構成する - 3~4歳ごろ
👉 言葉の獲得のピーク - 5歳ごろまで
語彙数は 約2000語
文字と音の対応が分かる 音韻意識 が育つ
※言葉の発達には個人差があり、障害や病気が背景にある場合もあります。
道徳性の発達|コールバーグの理論
道徳性の発達とは、「なぜそれを良い・悪いと判断するのか」という考え方の変化を指します。
コールバーグによる道徳性の発達段階(一覧表)
| 大きな段階 | 段階 | 段階名 | 判断の基準・特徴 |
|---|---|---|---|
| 前慣習的段階 | 第1段階 | 服従と罰 | 罰せられるかどうかが基準。「怒られるからやらない」 |
| 〃 | 第2段階 | 利己的判断 | 自分の利益・快楽が基準。「自分に得かどうか」 |
| 慣習的段階 | 第3段階 | 「よい子」志向 | 周囲からどう思われるか。「ほめられる・認められる」 |
| 〃 | 第4段階 | 法と秩序の維持 | 法律・社会的ルールを守ることが善 |
| 脱慣習的段階 | 第5段階 | 社会契約的段階 | 合理性や合意を重視。「話し合って決める」 |
| 〃 | 第6段階 | 普遍的道徳原理 | 正義・平等・人間の尊厳に基づく判断 |

小さい子ほど“怒られるかどうか”で考えるのは自然だよね
覚え方ワンポイント
- 1・2段階:自分中心(前慣習的)
- 3・4段階:周囲・社会中心(慣習的)
- 5・6段階:原理・価値中心(脱慣習的)
👉 試験では
「この行動はどの段階か?」
「どの段階が“慣習的段階”か?」
という聞かれ方が多いです。
心の理論|相手の気持ちを想像する力
心の理論とは
心の理論(Theory of Mind)とは、
「自分とは違う考えや感情を、他者がもっている」と理解する力のことです。
この言葉は、1987年にプレマックとウッドラフが
「チンパンジーには心の理論はあるのか」という研究で使用し、体系化されました。
サリーとアン課題(誤信念課題)を具体例で理解しよう
心の理論が成立しているかを調べる代表的な方法が、
サリーとアン課題です。
サリーとアン課題
- サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいます。
- サリーはボールをかごに入れ、部屋を出ていきました。
- サリーがいない間に、アンはボールを箱に移しました。
- サリーが部屋に戻ってきました。
Q:サリーは、ボールをどこに探しに行くでしょうか?
👉 正解は「かご」です。
サリーは、ボールが箱に移されたことを知らないからです。
このように、
「事実」ではなく、相手が信じていること(誤信念)を理解できるかどうかがポイントになります。

自分が知ってる正解じゃなくて、“相手の頭の中”を考えるってことだね
試験対策の重要ポイントまとめ
- 喃語・二語文が始まる時期
- 年齢ごとの語彙数の目安
- コールバーグの道徳性発達段階
- 心の理論=誤信念課題=サリーとアン課題
まとめ|年齢と子どもの姿を結びつけよう
言葉の発達・道徳性・心の理論は、
実際の子どもの行動や姿と結びつけて覚えることが大切です。
「この年齢の子なら、こんな行動をしていそう」
とイメージしながら学ぶことで、理解も記憶も定着しやすくなります。
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